個人再生で住宅ローンはどうなる?家を残すための住宅資金特別条項と滞納時の注意点

個人再生で住宅ローンはどうなる?家を残すための住宅資金特別条項と滞納時の注意点 債務整理・任意整理
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個人再生を検討する際、住宅ローンが残る自宅を手放さずに済むのかは重要な確認事項です。法律上の要件を満たす場合には、住宅資金特別条項を利用し、自宅の維持を検討できることがあります。

ただし、この条項を利用できれば必ず自宅を残せるわけではありません。住宅ローンの契約内容、抵当権などの担保権、居住・所有状況、滞納の有無に加え、住宅ローンと再生計画による返済を続けられる家計かを、申立て前に個別に確認する必要があります。

  1. 個人再生では住宅ローンがあっても自宅を残せる可能性がある
    1. 住宅ローンは再生計画で整理する無担保債務とは別に確認する
    2. 住宅ローンと再生計画の返済を両立できるかが重要になる
  2. 住宅資金特別条項とは何か
    1. 住宅ローンそのものの免除を受ける制度ではない
    2. 利用できるかは契約・不動産・家計の事情で変わる
  3. 住宅資金特別条項を検討する前に確認したい条件
    1. 自宅として利用している不動産か
    2. 住宅ローンの使途と契約内容に問題がないか
    3. 抵当権などの担保権と所有関係を確認できるか
  4. 個人再生で住宅ローンを滞納しているときの注意点
    1. 滞納の状況と届いた通知書を整理する
    2. 追加借入れで返済をつなごうとしない
    3. 住宅を残す希望と生活再建の両方を確認する
  5. 自宅を残したい場合の相談前チェックリスト
    1. 住宅ローンと不動産に関する資料
    2. 収入・支出とほかの債務に関する資料
    3. 法律相談と家計・生活の相談は役割を分ける
  6. 費用面が不安なときの相談先
    1. 申立費用は申立先の裁判所で確認する
    2. 法テラスの民事法律扶助を確認する
  7. 個人再生と住宅ローンに関するよくある質問
    1. 個人再生をすると住宅ローンは減額されますか?
    2. 住宅ローンを滞納していても個人再生を検討できますか?
    3. 住宅ローンがあるなら任意整理のほうがよいですか?
  8. 参考にした公的機関・公式情報

個人再生では住宅ローンがあっても自宅を残せる可能性がある

結論として、住宅資金特別条項の要件を満たすときは、個人再生で自宅を手放さずに手続を進められる可能性があります。個人再生は、将来に継続的な収入を得る見込みがあり、無担保債務の総額が5,000万円以下である人などが利用を検討する手続です。

再生計画が認可され、その内容に従って返済を完了した場合、原則として残りの債務の免除を受けられます。一方、住宅資金特別条項を使う住宅ローンは、再生計画で整理する無担保債務とは別に扱われ、返済の継続が前提です。

住宅ローンは再生計画で整理する無担保債務とは別に確認する

カードローン、消費者金融からの借入れ、クレジットカードの利用残高などの無担保債務は、再生計画に基づく返済の対象として整理を検討します。住宅資金特別条項を利用する場合の住宅ローンは、原則として約定どおりの返済を続ける扱いです。

債務の種類によって、確認すべき内容は次のように異なります。

債務の種類個人再生での基本的な考え方
住宅ローン住宅資金特別条項の要件を満たす場合、返済を継続しながら自宅の維持を検討する。
カードローン・消費者金融・クレジットカード利用分などの無担保債務再生計画に基づく返済の対象として整理を検討する。
住宅ローン以外の担保付き債務担保の内容や対象財産により扱いが異なるため、契約書・登記事項を確認する。

住宅ローン以外にも担保付きの債務がある場合は、住宅ローンと同じように扱えるとは限りません。契約書や登記事項を確認したうえで、個別の事情に沿って検討することが必要です。

住宅ローンと再生計画の返済を両立できるかが重要になる

個人再生の再生計画は、原則として3年間で債務の一定割合を分割返済する内容です。自宅を残したい場合、住宅ローンに加え、再生計画による返済や生活費を支払えるかを家計全体で確認しなければなりません。

住宅ローンの月額だけでなく、管理費・修繕積立金、固定資産税、火災保険料、教育費なども含めて収支を整理しましょう。個人再生の制度全体や費用の見通しは、個人再生の費用はいくら?裁判所費用・弁護士費用と払えないときの確認点でも確認できます。

住宅資金特別条項とは何か

住宅資金特別条項とは何か

住宅資金特別条項は、個人再生において、住宅資金貸付債権に関する特別な定めを再生計画に置くための制度です。要件を満たす場合、住宅ローン以外の債務を再生計画で整理しながら、住宅ローンの返済を継続して自宅の維持を目指せるかを検討します。

住宅ローンそのものの免除を受ける制度ではない

住宅資金特別条項は、住宅ローンを一律に減額したり、免除したりする制度ではありません。自宅の維持を目指す場合には、住宅ローンを別枠として扱い、返済を継続できることが前提になります。

利用できるかは契約・不動産・家計の事情で変わる

利用できるかは、住宅として利用している不動産か、住宅の取得・建設・改良などのための借入れか、抵当権などの設定状況はどうかといった事情で判断されます。共有名義、連帯債務者・連帯保証人の存在、借換えや追加融資、住宅以外の用途を含む不動産がある場合は、判断の対象です。検討が複雑になることがあります。

住宅ローンがあるという事情だけで判断せず、契約書と登記事項証明書を基に確認することが重要です。

住宅資金特別条項を検討する前に確認したい条件

住宅資金特別条項は、住宅ローンが残っているすべてのケースで利用できるものではありません。相談前に、自宅の利用状況、借入れの使途と契約内容、担保権・所有関係の3点を整理しておくと、利用の可能性を確認しやすくなります。

自宅として利用している不動産か

対象の不動産を実際に自宅として利用しているかは、重要な確認事項です。転居していて居住実態がない場合や、賃貸用・事業用の利用が中心である場合などは、住宅資金特別条項の利用に関わるため、現在の利用状況を正確に伝えましょう。

住宅ローンの使途と契約内容に問題がないか

住宅の購入、建築、改良などに関する借入れであるか、借換えや追加借入れがあるかを確認します。金銭消費貸借契約書、返済予定表、残高証明書をそろえ、借入先・借入目的・残高・毎月返済額を一覧にしておくと確認しやすくなります。

抵当権などの担保権と所有関係を確認できるか

自宅に住宅ローンを担保するための抵当権以外の抵当権などが設定されていないか、所有名義がどうなっているかも重要です。共有者がいる場合や、住宅ローン以外の債務の担保が設定されている場合は、登記事項証明書を確認したうえで相談しましょう。

個人再生で住宅ローンを滞納しているときの注意点

住宅ローンを滞納している場合でも、直ちに住宅資金特別条項の検討ができなくなるとは限りません。ただし、滞納の回数・金額、期限の利益に関する通知、保証会社による代位弁済、担保権の実行や競売手続の進行状況によって、確認すべき点は変わります。

滞納があるからといって、個人再生を申し立てれば自宅を守れるとは一律にいえません。住宅資金特別条項を利用する場合、滞納分や遅延損害金を含めた住宅ローンの返済をどう継続するかが問題になるため、通知書を放置せず、早めに状況を整理することが大切です。

滞納の状況と届いた通知書を整理する

相談時には、いつから、いくら、どの返済を滞納しているかを正確に伝えましょう。金融機関や保証会社、裁判所から届いた書類には期限が記載されていることがあるため、原本を保管して持参することが重要です。

特に、次の資料・情報をまとめておくと、現在の状況を伝えやすくなります。

  • 金融機関または保証会社から届いた督促状・通知書
  • 住宅ローン残高、延滞額、直近の入金日
  • 期限の利益の喪失や代位弁済に関する通知の有無
  • 競売開始決定など裁判所から届いた書類の有無
  • 今後の収入見込みと、住宅費を含む毎月の家計

書類がそろっていない場合も、届いている通知書から整理を始めることができます。期限が記載された書類は、内容と受領日が分かる状態で保管してください。

追加借入れで返済をつなごうとしない

住宅ローンを優先したい気持ちから、カードローンなどによる追加借入れで返済をつなぐと、家計への負担がさらに大きくなるおそれがあります。どの債務をどのように扱うべきかは、債務の種類や手続の段階によって異なります。

自己判断で返済を続ける前に、債務と家計の状況を確認することが大切です。

住宅を残す希望と生活再建の両方を確認する

自宅を残すことは重要な希望ですが、住宅ローンと再生計画の返済を続けた結果、生活費が不足するようでは継続が難しくなります。住宅を維持する見通しだけでなく、返済後も生活を立て直せる収支かどうかを確認してください。

自宅を残したい場合の相談前チェックリスト

自宅を残したい場合の相談前チェックリスト

個人再生の相談では、家を残したいという希望に加え、住宅ローン、不動産、ほかの債務、家計の具体的な情報を共有することが重要です。すべての書類がそろっていなくても、分かる範囲から一覧にしておくと相談を進めやすくなります。

住宅ローンと不動産に関する資料

まずは、借入れの内容、不動産の権利関係、滞納や手続の進行状況が分かる資料を集めてください。

  • 金銭消費貸借契約書、返済予定表、残高証明書
  • 不動産の登記事項証明書
  • 不動産売買契約書、建築請負契約書など取得経緯が分かる資料
  • 住宅ローンの返済状況が分かる通帳・取引明細
  • 金融機関、保証会社、裁判所から届いた通知書

契約書や通知書は、住宅ローンの使途、担保権、滞納状況を確認する際の基礎資料です。

収入・支出とほかの債務に関する資料

住宅を維持できるかを考えるには、住宅費を含めた毎月の収支と、ほかの債務の内容も確認が必要です。

  • 給与明細、源泉徴収票、課税証明書などの収入資料
  • 家計収支が分かる家計表、通帳、支払明細
  • 管理費・修繕積立金、固定資産税、保険料など住宅維持費の資料
  • ほかの債務の契約書、利用明細、債権者一覧
  • 連帯保証人、連帯債務者、共有者が分かる資料

収入と支出、債務の全体像を示せるようにしておくと、住宅ローンと再生計画の返済を併せた検討を進めやすくなります。

法律相談と家計・生活の相談は役割を分ける

住宅資金特別条項の利用可否や申立ての進め方は、弁護士・司法書士などに法律上の確認をする領域です。家計管理や生活費の確保に不安がある場合は、収支の見直しや利用できる支援の確認も並行して行うと、返済計画の実行可能性を考えやすくなります。

相談時には、次の項目を簡潔に説明できるよう整理しておくとよいでしょう。

確認項目相談時に伝える内容
自宅・所有関係所有名義、共有者、居住状況、登記内容
住宅ローン借入先、残高、月額、滞納額、通知書の内容
担保権抵当権などの設定状況、住宅ローン以外の担保の有無
家計収入、生活費、教育費、管理費・修繕積立金、税金など
ほかの債務債権者、残高、毎月返済額、保証人・担保の有無

分かる範囲で事実を整理して伝えることが、個別事情に応じた確認につながります。借金は弁護士に相談だけでもよい?相談で分かることと準備するものでは、相談前にまとめたい情報を解説しています。

費用面が不安なときの相談先

個人再生を検討するにあたり費用が不安な場合は、申立先の裁判所の案内や法テラスの制度を確認する方法があります。必要な費用や利用条件は、申立先や個別の事情により異なるため、事前の確認が必要です。

申立費用は申立先の裁判所で確認する

個人再生の申立てには、収入印紙1万円分のほか、連絡用の郵便料や予納金が必要です。郵便料や予納金、必要書類は裁判所ごとに異なるため、住所地を管轄する地方裁判所など、実際の申立先の案内を確認してください。

法テラスの民事法律扶助を確認する

費用の支払いが難しい場合は、法テラスの民事法律扶助を利用できるか確認する選択肢があります。法テラスでは、資力基準などの条件を満たす人を対象に、無料法律相談や、必要な場合の弁護士・司法書士費用等の立替えを案内しています。

利用には要件や審査があるため、利用できると決めつけず、個別に確認しましょう。

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「無料相談で現状を整理する」

広告先への相談・依頼によって、債務整理の成立、返済額の減額、または特定の結果が得られることを示すものではありません。契約前に、説明を受けた内容、費用、支払い方法、対応範囲を確認してください。

相談・依頼の可否、手続の見通し、費用、住宅を維持できるかどうかは、借入内容や家計状況などにより異なります。広告掲載は手続の成功や特定の結果を保証するものではありません。

費用を理由に相談を先延ばしにせず、利用条件や必要書類を確認することが大切です。債務整理の費用が払えないときは?お金がなくても相談できる方法を解説も参考に、無理のない相談方法を検討してください。

個人再生と住宅ローンに関するよくある質問

個人再生をすると住宅ローンは減額されますか?

住宅資金特別条項を利用して自宅の維持を検討する場合、住宅ローンは原則として返済を継続する扱いです。住宅ローン以外の無担保債務を再生計画で整理することと、住宅ローンを減額・免除することは別の問題であり、住宅ローンが一律に減額されるとはいえません。

住宅ローンを滞納していても個人再生を検討できますか?

滞納があっても、直ちに個人再生の検討ができなくなるとは限りません。ただし、滞納額、遅延損害金、保証会社による代位弁済、担保権の実行や競売手続の進行状況などにより確認事項が変わります。

届いた通知書を保管し、状況が分かる資料とともに早めに相談してください。

住宅ローンがあるなら任意整理のほうがよいですか?

一律に任意整理のほうがよいとはいえません。任意整理では対象にする債務を選んで交渉を検討する方法がありますが、合意の可否や条件は債権者ごとに異なります。

個人再生とどちらが適するかは、住宅ローン以外の債務額、収入、滞納状況、返済見込み、担保・保証の状況などを踏まえて個別に判断する必要があります。任意整理における住宅ローンの考え方は、任意整理すると住宅ローンはどうなる?自宅を残すための確認点を解説で確認できます。

参考にした公的機関・公式情報

本文の制度説明や確認事項は、以下の公的機関・公式情報を参考にしています。

最終確認日:2026年8月19日。住宅資金特別条項の利用可否、自宅を維持できる見通し、滞納時の対応は、契約内容・担保権・所有関係・手続の進行・家計などの個別事情により異なります。住宅ローンの返済や生活費の確保に不安がある場合は、契約書や通知書を持参し、弁護士・司法書士などへ早めに相談してください。

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