個人再生の費用は、裁判所へ納める費用だけではありません。弁護士・司法書士へ依頼する場合の費用に加え、申立先の裁判所によっては個人再生委員に関する費用も確認する必要があります。
結論として、個人再生の全国共通の総額は示せません。裁判所費用は申立先ごとに異なり、専門家費用も依頼先や事件内容、支払方法によって変わるためです。まずは「何の費用か」「誰に払うか」「いつ必要か」を分けて確認しましょう。
個人再生の費用は「裁判所」「専門家」「個人再生委員」に分けて確認する

個人再生の費用は、合計額だけで判断せず、支払先ごとに内訳を整理することが大切です。とくに、裁判所へ納める費用と、弁護士・司法書士に依頼する場合の費用は別に確認します。
個人再生委員に関する費用についても、申立先の裁判所の運用や事件内容によって確認が必要になる場合があります。まずは、次の3区分を把握しておくと、相談時に質問しやすいでしょう。
| 区分 | 主な内容 | 確認先 |
|---|---|---|
| 裁判所費用 | 収入印紙、連絡用の郵便料、予納金 | 申立先の地方裁判所 |
| 弁護士・司法書士費用 | 相談後に依頼する場合の費用 | 依頼を検討する事務所 |
| 個人再生委員に関する費用 | 有無、金額、納付方法を確認する費用 | 申立先の地方裁判所・依頼先 |
特定地域の裁判所や事務所の費用を、そのまま全国共通の金額として扱うことはできません。見積書や裁判所の案内を見る際は、申立先と自分の事件に当てはまる内容かを確かめてください。
裁判所へ納める個人再生の費用
裁判所の案内では、個人再生の申立てに必要な費用として、収入印紙1万円分、連絡用の郵便料、予納金が示されています。連絡用の郵便料等は裁判所ごとに異なるため、申立先の地方裁判所で確認が必要です。
申立先は、原則として債務者の住所地を管轄する地方裁判所です。必要書類も裁判所ごとに異なるため、費用とあわせて早めに確認しておくとよいでしょう。
収入印紙は1万円分と案内されている
個人再生の申立てでは、収入印紙1万円分が必要と案内されています。これは申立てに関する裁判所費用であり、弁護士・司法書士へ依頼する場合の費用とは分けて考えます。
依頼先から見積りを受ける際は、収入印紙代を自分で用意するのか、専門家費用とは別に請求されるのかを確認してください。費用の扱いを事前に整理しておけば、支払時期も把握しやすくなります。
郵便料・予納金は申立先の裁判所へ確認する
連絡用の郵便料や予納金は、申立先ごとに異なると案内されています。そのため、インターネット上で見つけた金額だけで、自分に必要な裁判所費用を決めることはできません。
申立先の地方裁判所のウェブサイト・窓口、または依頼を検討する専門家を通じて、納付額、納付方法、納付時期を確認しましょう。確認先が分からない場合も、相談時に申立先を伝えることが出発点になります。
個人再生委員に関する費用の有無も確認する
個人再生委員に関する費用の有無、金額、納付時期は、申立先の裁判所の運用や事件内容を踏まえて確認する必要があります。収入印紙や郵便料だけでなく、この費用が想定されるかも質問項目に加えましょう。
特定の裁判所向けに示された費用を、全国の標準額と考えるのは適切ではありません。資金計画を立てる際は、申立先で必要となる費用を個別に確認してください。
個人再生の弁護士費用・司法書士費用は依頼先ごとに確認する
弁護士・司法書士に依頼する場合の費用は、裁判所が全国共通で定めるものではありません。料金体系、費用に含まれる業務の範囲、支払時期は依頼先によって異なるため、相談時に内訳を確認することが大切です。
見積りで確認したい費用の内訳
見積りを確認する際は、費用の名称だけで比較せず、何が含まれ、何が別途必要になる可能性があるかを確かめます。次の項目をまとめて質問すると、支払計画を立てるための情報を整理しやすくなります。
- 依頼前に必要な金額と、依頼後に必要となる可能性がある金額
- 裁判所へ納める費用を誰が、いつ準備するか
- 個人再生委員に関する費用を見込む必要があるか
- 見積書または費用説明書を受け取れるか
相談料、着手金、報酬、実費などの名称だけで比較するのではなく、裁判所費用が含まれるか、別途必要となる費用があるかを確認しましょう。説明内容は、後で見返せるようメモや書面で残しておくと安心です。
支払時期と分割払いの相談可否を確認する
費用をすぐに一括で用意できない場合は、その事情を相談時に伝えます。分割での支払いを相談できるかどうかは依頼先によって異なるため、利用できると決めつけず、支払方法と支払開始時期を確認してください。
説明に不明点があるときは、契約を急がず、借入先、毎月の返済額、収入、資産、住居費を伝えたうえで、必要な手続と費用を整理してもらいましょう。自分の状況に必要な費用を確認してから判断することが重要です。
【PR】借金問題について、専門家への相談を検討している方へ
「無料相談で現状を整理する」広告先への相談・依頼によって、債務整理の成立、返済額の減額、または特定の結果が得られることを示すものではありません。契約前に、説明を受けた内容、費用、支払い方法、対応範囲を確認してください。
相談・依頼の可否、費用、手続の見通しは個別の事情や依頼先の判断によって異なり、広告の利用によって結果が保証されるものではありません。
個人再生の費用を払えないときの確認順序

費用を一括で用意できない場合でも、返済のためだけに追加の借入れを急ぐ前に、毎月の収入・支出と必要費用を整理してください。費用を払えない事情は、手続をあきらめる前に相談先へ伝えるべき重要な情報です。
法テラスの費用立替制度を利用できるか確認する
法テラスには、弁護士・司法書士に依頼する必要がある場合に、費用を立て替える制度があります。利用には、収入・資産が一定基準以下であることなどの条件があり、審査も必要です。
立替えを受けた費用は分割で支払う仕組みと案内されています。立替えの対象となる費用、立替額、月々の返済額は個別に決まるため、利用できるかどうかを法テラスまたは相談した専門家へ確認してください。
無料法律相談で手続と費用を整理する
法テラスでは、経済的に困っている人を対象に、弁護士・司法書士との無料法律相談を案内しています。収入・資産の基準は家族人数や地域などで異なります。
個人再生を依頼するか決めていない段階でも、借金総額、債権者、毎月の返済額、収入、家計の状況を伝えることで、確認すべき費用や手続を整理しやすくなるでしょう。相談のみで終えることも含め、判断に必要な情報を集める場として利用を検討できます。
家計の整理と法律相談は目的を分けて並行する
法律相談では、個人再生が選択肢になるか、裁判所費用や専門家費用をどう確認するかを整理するものです。一方、家計の整理では、生活費、住居費、返済額などの現状を把握します。
役割は異なりますが、家計の資料は法律相談でも役立ちます。資料を並行して整理しておくと、相談時に現在の状況を伝えやすくなるでしょう。
費用を用意できない場合の選択肢を詳しく知りたい方は、債務整理の費用が払えないときは?お金がなくても相談できる方法を解説もあわせてご覧ください。
相談前に用意したい情報と確認する質問
個人再生の費用を具体的に考えるには、借金の額だけでなく、家計、財産、住居の状況も重要です。資料がすべてそろっていなくても、分かる範囲で整理しておくと、相談時の確認漏れを減らせます。
相談時に伝える情報
相談先に状況を伝えるため、次の情報を分かる範囲で用意します。資料が不足している場合は、その旨もあわせて伝えてください。
- 借入先ごとの名称、残高、毎月の返済額
- 給与明細や年金額など、現在の収入が分かる資料
- 家賃・住宅ローン、光熱費、通信費などの毎月の支出
- 預貯金、不動産、保険、自動車などの財産に関する情報
- 住宅ローンがある場合は、住まいをどうしたいかという希望
借入れ、収入、支出、財産を一度に確認できるようにしておくと、費用や手続について質問しやすくなります。正確な金額が分からない項目は、分かる範囲で整理して相談先に確認しましょう。
費用について確認する質問
費用の総額だけでなく、支払先と支払時期も確認することが重要です。相談時には、以下の質問をもとに必要な費用を整理してください。
- 裁判所費用、専門家費用、個人再生委員に関する費用の内訳
- それぞれの支払先と支払時期
- 別途必要となる可能性がある費用
- 一括で払えない場合に相談できる支払方法
- 法テラスの無料法律相談・費用立替制度を確認する必要があるか
質問した内容と回答は、相談後にメモとして残しましょう。複数の相談先を比較する場合も、同じ項目で内訳を確認することで、金額だけに偏らずに検討しやすくなります。
相談で分かることや準備物を先に確認したい場合は、借金は弁護士に相談だけでもよい?相談で分かることと準備するものを参照してください。
個人再生の費用に関するよくある質問
個人再生の裁判所費用はいくらですか?
裁判所の案内では、収入印紙1万円分に加え、連絡用の郵便料と予納金が必要です。郵便料等は裁判所ごとに異なるため、合計額は申立先の地方裁判所へ確認してください。
個人再生の弁護士費用を一括で払えない場合はどうしますか?
一括で用意できない事情を、相談時にそのまま伝えてください。依頼先の支払方法を確認するほか、条件に該当する場合は法テラスの費用立替制度を利用できる可能性があります。
法テラスの立替制度には収入・資産などの条件があり、審査も必要です。利用の可否や立替額を事前に断定せず、必要書類を含めて確認しましょう。
個人再生では個人再生委員に関する費用が必要ですか?
個人再生委員に関する費用は、申立先の裁判所の運用や事件内容を踏まえて確認が必要です。申立てを予定する地方裁判所または相談先の専門家へ、有無・金額・納付時期を質問してください。
個人再生の費用は総額ではなく内訳と支払時期で判断する
個人再生では、収入印紙1万円分、裁判所ごとに異なる郵便料・予納金、依頼先ごとに異なる弁護士・司法書士費用などを分けて確認します。個人再生委員に関する費用の有無も含め、申立先と相談先の両方で確認することが重要です。
費用を払えない不安があるときは、収支と債務の状況を整理したうえで相談してください。法テラスの制度には条件と審査があるため、利用できると決めつけず、まず利用の可否を確認しましょう。
なお、住宅ローンがある方は、費用だけでなく住居への影響も含めて検討する必要があります。任意整理すると住宅ローンはどうなる?自宅を残すための確認点を解説も、住まいと債務整理を考える際の確認材料になります。
参考にした公的機関・公式情報
基準日:2026年8月19日。個人再生の費用、申立先、利用できる制度は、個別事情や裁判所・依頼先の運用によって異なります。実際に申立てや依頼を検討する際は、申立先の裁判所および弁護士・司法書士へ確認してください。

