債務整理の費用を一括で払えなくても、相談料が無料になる制度や、依頼費用の分割払い・立替制度を使える場合があります。最初に分けたいのは、払えないお金が「相談料」「弁護士・司法書士への依頼費用」「裁判所に納める費用」「法テラスへの返済」のどれかです。
まだ依頼していない人は、相談の予約時に「費用を一括では払えない」と伝えてください。すでに契約・支払いが始まっている人は、請求書や決定書を手元に置き、支払先へ金額と期限を伝えます。費用を作るために新しく借りる前に、払えない段階に合った方法を相談しましょう。
債務整理は、交渉や裁判所の手続きによって借金の支払方法などを見直すことです。この記事では手続きを一つに決めず、費用の内訳と、相談先へ伝える内容を説明します。
まず、どの費用を・いつ払えないのか分ける
「費用がない」という一言だけでは、相談先も支払方法を検討できません。見積書・契約書・請求書のどこに書かれた金額なのかを見て、次の表の該当する行から進めてください。
| 払えない費用・段階 | 最初の連絡先 | 伝える内容 |
|---|---|---|
| 相談を受ける前の相談料 | 法テラス、相談を希望する事務所など | 借金の相談であること、相談料を出せないこと、収入・家族人数・預貯金 |
| 依頼時の着手金や契約後の分割金 | 依頼を検討中、または契約中の事務所 | 見積額・請求額、支払日、一括で払えないのか毎月の支払いも難しいのか |
| 裁判所への申立費用・予納金 | 依頼中の事務所。納付方法などの案内は申立先の裁判所 | 手続きの種類、納付額・期限、すでに準備できた額 |
| 法テラスに返す立替金 | 利用している法テラス地方事務所 | 決定書等の番号、月額・次の支払日、収入減や支出増の時期、生活保護の受給状況 |
着手金は依頼を受けて手続きを進めるための費用、実費は郵便料など実際にかかる費用、報酬金は契約で定めた成果などに応じて発生する費用です。名称だけで総額を判断せず、それぞれの支払時期と追加される条件を聞きます。法テラスの費用の説明も、着手金・実費・報酬金を分けています。
依頼前なら、無料相談の対象と予約方法を調べる

法テラスの無料相談には収入・資産などの条件がある
法テラスの通常の無料法律相談は、収入・資産が基準以下で、制度の目的に合う相談などが対象です。借金の相談も扱っています。1回30分、同じ問題について3回までで、原則として予約制です。相談だけで、担当した弁護士・司法書士への依頼が決まるわけではありません。無料法律相談の利用案内と相談に関する公式Q&A
収入は賞与を含む手取りの平均月収で判断され、原則として配偶者の収入・資産も合算します。基準は家族人数や居住地域で変わり、家賃・住宅ローン、医療費などが考慮される場合があります。自分の月給だけを表の金額と比べて対象外と決めず、予約時に家族人数と支出の事情を伝えてください。災害被災者向けなどには別の制度があります。
予約時に伝えることを短いメモにする
- 法テラスの公式案内から居住地の窓口を選び、「借金と依頼費用を相談したい」と伝えます。
- 平均月収、配偶者の収入、家族人数、現金・預貯金、家賃などを、分かる範囲で答えます。
- 相談場所・日時・持参する資料を聞きます。裁判所の書類が届いていれば、書類名と受け取った日、書かれた期限を先に伝えます。
無料相談の対象にならない場合は、自治体や弁護士会等の相談窓口について案内を求める方法もあります。別の窓口でも、料金・対象者・相談時間を予約前に尋ねてください。相談で話す順番は、弁護士に相談だけしたいときの準備でも説明しています。
依頼費用は「分割払い」と「法テラスの立替」を分けて聞く
事務所の分割払いは、毎月の支払額と着手時期まで聞く
事務所へ直接払う費用の分割条件は、依頼先との契約によります。一括払いを分割にしても、それだけで費用総額が減るわけではありません。「月々いくらか」に加えて、何回払うのか、いつから手続きが始まるのかを聞いてください。
見積りを受けたら、次の欄を埋めます。分からない欄は空欄のまま契約せず、担当者へ質問する箇所として残しましょう。
| 聞く項目 | 記入する内容 | その場で尋ねる例 |
|---|---|---|
| 費用の内訳・総額 | 着手金__円/報酬金の条件__/実費__円/消費税__ | 「この見積りに含まれない費用は何ですか」 |
| 支払い予定 | 初回__円・__日/月額__円/回数__回 | 「初回分と毎月分のほかに支払う時期はありますか」 |
| 手続きの開始 | 契約後__/費用を__円払った後など | 「いつ、どの作業から始まりますか」 |
| 途中で払えない場合 | 連絡先__/支払条件の変更方法__ | 「支払いが遅れそうなときは、誰にいつ連絡しますか」 |
| 契約終了・手続き変更 | 精算方法__/追加費用が生じる条件__ | 「依頼を終了した場合や別の手続きへ変えた場合はどうなりますか」 |
月額は家賃・食費・医療費などを差し引いた後の家計から考えます。借金の支払いがどう変わるかは担当者に聞き、費用の積立へ回せる額を自己判断で増やさないでください。手取りと生活費から月の予算を出す記入例を使うと、払える額と不足額を伝えやすくなります。
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「後悔しない任意整理するなら!」広告先への相談・依頼で、借金問題の解決や費用の減額が保証されるものではありません。依頼前に、費用総額・支払い方法・対応範囲の説明を受け、契約内容を読んでください。
法テラスの立替には、無料相談とは別の審査がある
法テラスの立替制度は、依頼にかかる費用を法テラスが先に払い、利用者が原則として法テラスへ分割で返す仕組みです。利息等はありません。無料相談の対象になっても、そのまま立替の利用が決まるわけではありません。立替制度の公式案内
立替には、収入・資産の基準に加え、問題の解決を見込めることと、制度の目的に合うことが求められます。公式案内の「勝訴の見込み」には、裁判で勝つ場合だけでなく、和解などで解決する見込みや、自己破産で免責が認められる見込みも含まれます。免責とは、対象となる債務の支払責任を免れる裁判所の判断です。
立替の資産審査は、現金・預貯金だけを対象にする無料相談の審査と範囲が異なり、不動産や有価証券なども扱います。自宅や争いの対象となる物件などの扱いもあるため、保有している財産を申告し、法テラスに判定を委ねてください。
- 相談した弁護士・司法書士へ、立替制度を利用したいと伝えます。希望する事務所がある場合は、法テラスとの契約の有無も尋ねます。
- 収入・資産・事件内容などの資料を、案内された範囲で提出します。
- 援助開始決定が出たら、決定書と契約書で立替額、返す月額、支払い開始時期を読みます。
月額や立替額は事件に応じて決まり、どの人にも同じ金額が適用されるわけではありません。依頼先の分割払いと比較するときも、月額だけでなく、自己負担で別に用意する費用を含めて比べてください。
裁判所に納める費用まで、全額立て替えてもらえるとは限らない
自己破産などでは、弁護士・司法書士への費用とは別に、裁判所の手数料や郵便料、予納金がかかります。予納金は、手続きを進めるためにあらかじめ裁判所へ納めるお金です。裁判所の破産手続案内も、申立費用にこれらを挙げています。郵便料等は裁判所によって異なります。
法テラスの公式Q&Aには、次のような立替対象の制限があります。見積りで「法テラスを利用する」と書かれていても、自己負担の欄を別に作ってください。
| 費用 | 公式案内の扱い | 相談時に聞くこと |
|---|---|---|
| 自己破産事件の予納金 | 生活保護受給者を除き、立替の対象外 | 自分の事件で発生する額・納付期限・準備方法。受給中なら対象範囲と上限 |
| 民事再生事件の予納金 | 生活保護の受給にかかわらず、立替の対象外 | 個人再生で別に用意する額と時期 |
| 実費の限度額を超える部分 | 原則として自己負担 | 見積りに含まれる範囲と、追加が生じる条件 |
法テラスは原則として、裁判費用などの実費だけを単独で立て替える扱いもしていません。費用が足りない場合は、依頼先と法テラスへ手続き名・不足額・期限を伝え、対象範囲を聞いてください。立替制度に関する公式Q&A
契約後や法テラスへの返済中に払えなくなったとき
事務所の分割金は、契約先へ変更を相談する
契約後の支払いが難しい場合は、支払日より前に担当者へ連絡します。すでに過ぎている場合も、連絡を先延ばしにせず「今回の不足額」「収入が減った時期」「次に入金される予定」を伝えてください。予定が立たない場合は、そのまま伝えます。
月額や期日を変更できるか、手続きの進行にどう影響するかは契約先と相談して決めます。契約書の支払条件・契約終了時の精算条項も一緒に読み、合意した変更は書面等で残しましょう。「今月は払わなくてよいはず」と判断して黙って止めたり、支払うために別のカードで借りたりしないでください。
法テラスの返済は、猶予・月額変更・免除を区別する
法テラスへ立替金を返すことを「償還」といいます。猶予は支払いを待ってもらうこと、月額変更は毎回の支払額を変えること、免除は残った立替金の返済義務を免じてもらうことです。希望する扱いと現在の収支を、利用している法テラス地方事務所へ伝えます。
生活保護を受給している人は、申請により、事件が終わるまで立替金の返済を待ってもらえる場合があります。受給状況が分かる資料と申請方法を法テラスへ尋ね、受給の開始・終了などの変化も伝えてください。生活保護を受給していない人にも、生活保護に準ずるほど生活が苦しく、一定の要件を満たす場合の猶予制度はあります。ただし、この受給していない人の多重債務事件では、原則として猶予が認められないと案内されています。「収入が少なければ借金事件の立替返済を止められる」とは考えないでください。法テラスの償還猶予・免除の案内
免除は、法テラスで扱う全ての援助事件が終了して終結決定が出た後に申請します。生活保護を受けているだけで自動的に免除されるわけではなく、申請時の経済状況や事件で得た利益などから判断されます。生活保護を受けていない人にも所定の免除制度がありますが、収入・資産・今後の回復見込みなどの条件があります。まず自分の事件が申請できる段階かを尋ねましょう。立替金の免除申請に関する公式Q&A
相談には借金の一覧と、払えない費用の書類を持っていく

費用の相談では、借金と家計の情報に加えて、事務所や法テラスへ今後払う金額を並べます。金額が分からない欄は「不明」と書き、明細など手元の資料を持参してください。資料がそろわないことだけで予約を先送りせず、不足する資料と提出できる時期を窓口へ伝えます。
- 借入先ごとの残高・毎月の支払額・支払日と、契約書や利用明細
- 事務所の見積書・契約書・請求書、法テラスの決定書や返済案内
- 給与・年金などの収入資料、家賃・医療費などの支出、預貯金などの資産
- 裁判所の書類や督促状。届いた封筒と、受け取った日のメモ
借入先ごとの記入には、借金返済管理表の記入例を使えます。法テラスの立替審査へ進む場合は、相談用のメモだけでなく、住民票・収入資料・債務一覧表・返済口座の資料などを提出します。資料の種類や対象期間は法テラスの必要書類の案内に沿い、担当者から自分の事件の提出物を教えてもらってください。
裁判所の書類が届いているときは、費用の相談と期限への対応を並行する
相談の予約や立替の審査を待っている間も、裁判所の手続きの期限が自動的に延びるわけではありません。書類のタイトル、受け取った日、事件番号、提出・出頭の期限をメモし、相談先へ伝えてください。
例えば支払督促は、受け取ってから2週間以内に異議を申し立てなければ、債権者の申立てにより、強制執行につながる仮執行宣言が付されます。これは支払督促の説明で、全ての裁判所の書類に同じ期限が当てはまるわけではありません。自分の書類に沿った対応を急いで相談しましょう。裁判所「支払督促」
生活費も不足しているときは、返済が難しい段階での対応と相談先も参照してください。費用の支払いだけを決めて、家賃や食費の不足を残さないようにします。
費用が払えないときに残りやすい疑問
費用が安い手続きを選べばよいですか?
費用だけでは決められません。手続きによって借金の支払い、財産や保証人への影響などが異なります。まず手続きごとの生活への影響を読み、相談では「その方法を選ぶ理由」と「手続き後も払うお金」を説明してもらってください。
借金額が大きいと、法テラスの利用はできませんか?
借金額だけで利用の可否は決まりません。収入・資産と事件の内容などが審査されます。住宅ローンや事業の借入もある人は、大きな借金を内訳から考える記事も参考にし、借入先と担保・保証人の有無を省略せず伝えてください。
まとめ|払えない費用と期限を伝えるところから始める
相談料を出せない段階なら無料相談の対象を調べ、依頼費用を一括で払えない段階なら分割払いと立替制度を比べます。すでに支払い中なら、請求書や決定書を開き、契約先または法テラスへ不足額と支払日を伝えてください。
最初の連絡で全てを決めることはありません。費用の書類、借金の一覧、家計のメモを手元に置き、「今払えないのはこの費用です」と伝えましょう。裁判所の書類がある人は、その期限も最初に知らせてください。
公式資料の参照日:2026年9月28日。本文の記入欄は相談準備用で、料金や制度の利用可否を決定するものではありません。

