生活保護受給中でも自己破産できる?費用と法テラスの猶予・免除

スマートフォンと書類を前に、相談内容をメモする人 債務整理・任意整理
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生活保護を受けている人も、自己破産を申し立てることはできます。ただし、受給しているだけで免責や費用の免除が決まるわけではありません。借金の返済ができない状態かどうかは裁判所が判断し、法テラスによる費用の立替え・支払猶予・免除にはそれぞれ手続があります。

まずは法テラス、または法テラスと契約している弁護士・司法書士に、生活保護の受給状況と借金、手元にある書類を伝えます。食費や家賃に充てるお金が足りないときは、担当ケースワーカーへの相談も同時に進めてください。

生活保護の受給中でも、自己破産の申立てはできる

個人の自己破産では、原則として住所地を管轄する地方裁判所へ申し立てます。判断の出発点は「支払不能」、つまり支払う能力がなく、期限の来た債務を全般的・継続的に支払えない状態です。借金が何万円なら申し立てられる、という一律の最低額では決まりません。

保護費の受給額だけでなく、借入先と残高、働いて得る収入、預貯金や保険などの財産、世帯の支出を伝えて、自己破産が状況に合うかを相談します。自己破産の制度は、免責の条件と手続の流れでも説明しています。

破産手続の開始と、返済責任を免れる免責は別

破産手続が始まっただけでは、借金の返済責任はなくなりません。裁判所の免責許可が確定すると、対象となる債務の返済責任を免れます。税金や養育費など、免責の対象にならない支払いもあります。保証人に対する債権者の権利にも影響しないため、保証人のいる借入れは相談の初めに伝えてください。

財産を隠す、借入先を故意に記載しない、裁判所へ虚偽の説明をするといった行為は、手続や免責の判断に影響します。過去の浪費やギャンブルがあっても、事情を考慮した裁量免責の可能性があるため、自己判断で相談をやめず、経緯をそのまま話しましょう。根拠は破産法2条・15条・252条・253条です。

保護費から返済を続けず、生活と借金の相談先を分ける

生活保護は最低限度の生活を支える制度です。所沢市の案内も、生活保護費で借金を返済することは認められていないとしています。保護費を使って返済している場合は、返済額と生活費の不足をケースワーカーと法律相談の担当者に伝えてください。

返済や申立費用のために追加で借りる、家族・知人から借りる、カードを現金化するといった方法には進まないでください。借入金も原則として収入認定の対象となり、生活保護費に影響します。すでに借りている場合も、金額・入金日・用途を福祉事務所に申告します。収入認定には控除や対象外となる場合があるため、個別の扱いを担当者に尋ねてください。江戸川区の収入認定の説明が参考になります。

相談先伝えること・相談する内容
福祉事務所・ケースワーカー食費・家賃・光熱費の不足、借入れや収入・資産の変化、受給証明書の発行
弁護士・司法書士自己破産の方針、返済や督促への対応、財産・保証人への影響、申立てを進めるための費用と資料
法テラス無料法律相談の予約、費用の立替え、受給中の支払猶予、事件終了後の免除申請

弁護士に申立ての代理を頼む場合と、司法書士に裁判所へ提出する書類の作成を頼む場合では、依頼範囲が異なります。契約前に、裁判所への連絡や出頭を誰が担当するかまで質問してください。

自己破産の費用は、裁判所への納付と専門家への依頼で分ける

自己破産の費用について相談するために、財布と資料を置いた机

裁判所への費用には申立手数料、郵便料、官報公告などのための予納金があります。管財事件では、裁判所が選ぶ破産管財人による財産や経緯の調査に費用がかかります。財産が乏しい場合などに、管財人を選ばず手続を終えるのが同時廃止ですが、生活保護を受けているという理由だけで同時廃止になるとは限りません。

次の表は東京地方裁判所民事第20部の2026年1月基準による個人の例です。同時廃止と、弁護士が申立代理人となる管財事件の予納金20万円の場合を比べています。全国共通の見積りではありません。

費目同時廃止管財事件の例
破産・免責申立ての印紙1,500円1,500円
郵便切手4,950円4,950円
予納金13,046円200,000円+20,397円
上記の合計19,496円226,847円

この例は大型合議事件を除き、官報分を中目黒庁舎で現金納付する場合の金額ではありません。同庁舎で現金納付する場合、官報分は同時廃止14,000円、個人管財21,000円です。管財事件の予納金は事案によって増額され、弁護士を付けない本人申立てには別基準があります。専門家への費用、証明書の発行手数料や交通費などは表に含みません。出典:東京地裁の手続費用一覧。

専門家の費用は、依頼する業務、事務所、事件の内容、法テラスを利用するかによって変わります。見積りでは着手金・報酬・実費・追加費用の条件を分けてもらい、「いつ、誰に、いくら払うか」「立替え対象外の自己負担は何か」を書面で受け取ります。詳しい区分は自己破産の裁判所費用と弁護士費用をご覧ください。

法テラスの無料相談・立替え・猶予・免除は別々の段階

法テラスには、収入・資産などの条件を満たす人向けの無料法律相談と、専門家に依頼する費用などの立替制度があります。立替えは無利息ですが、原則は法テラスへ返すお金です。無料相談を利用しただけで、裁判所費用や依頼費用が無料になるわけではありません。

立替えの審査では、資力の基準、問題解決の見込み、制度の趣旨に合うかが調べられます。自己破産では免責の見込みも審査対象です。法テラスと契約する専門家への相談で利用を希望すると伝え、援助開始決定と契約の内容を読んでから依頼を進めます。

段階すること費用の扱い
初回相談受給中であることを伝え、無料法律相談を予約する利用条件を満たす場合に相談料が無料。同一問題は原則3回まで、1回30分程度
専門家への依頼資料を出し、立替えの審査を受ける援助開始決定で対象費目・金額が決まる
事件が続いている間受給状況を届け、支払猶予の手続を相談する受給中の立替金返済について猶予を受けられる。免除とは別
援助事件がすべて終結した後終結決定後に、受給状況を添えて免除を申請する申請時の経済状況などを審査。自動的に免除されない

制度の入口は無料法律相談の利用案内、依頼に進むときは費用立替えの利用案内です。

生活保護受給者は、自己破産の予納金も立替えを相談できる

自己破産の予納金は通常の立替え対象から外れますが、生活保護を受けている人には例外があります。東京地裁は、法テラスの援助対象となった管財事件について、管財人費用20万円や官報・印紙・郵券費用の立替えを案内しています。ただし、追加費用を含むすべての支出を無制限に立て替える制度ではありません。

申立先と事件の方針が決まったら、担当する専門家へ、予納金を含む立替申請額、上限、自己負担が残る費目、納付までの手順を尋ねます。原則として実費だけを単独で立て替える利用はできません。また、民事再生の予納金は受給中でも対象外です。法テラスの立替制度Q&Aと東京地裁の立替え案内に基づく説明です。

免除申請は、すべての援助事件の終結決定後

立替金の免除は、自己破産の免責とは別の手続です。法テラスの援助事件が複数ある場合は、すべてが終了して終結決定が出てから申し込みます。事件の途中で、将来の免除を先に申請しておくことはできません。

申請時にも生活保護を受けている場合は、利用中の法テラス地方事務所に提出先と書式を尋ね、申請日からさかのぼって3か月以内に発行された生活保護受給証明書を用意します。申請時の経済状況や事件で得た利益などから判断されるため、受給中でも免除が認められない場合があります。すでに払った立替金が返金される制度でもありません。出典:償還免除申請の案内。

たとえば、援助事件で相手方から金銭などを得た、または得る見込みがある場合は、原則としてその25%相当を立替金の返済に充てる扱いがあります。特別な事情の判断もあるため、受け取ったお金を使う前に法テラスへ伝えてください。受給だけで無条件に免除されるわけではないことは、法テラスの免除要件にも示されています。

2026年4月からは、受給中の人を対象とするWeb免除申請も始まっています。法テラスから届く案内や公式の申請手順を使い、証明書のデータを添付して申込みを完了させます。利用者登録だけで止めず、完了画面と通知メールを保存してください。書面で申し込む場合は2026年1月改訂後の書式を使います。

途中で生活保護の受給が終了したときも、利用中の法テラスへ連絡します。返済開始や月額の扱いを相談し、収入に合う支払方法を決めてもらいます。受給が終わった後の免除には別の要件があり、以前受給していたことだけでは決まりません。

予約から申立てまでに、自分が準備すること

書類を用意し、専門家に相談して提出資料を準備する場面
  1. 急ぎの書類を先に伝える。訴状、支払督促、差押え関係の書類が届いたら、届いた日と書類にある期限をメモし、封筒ごと相談先へ見せます。予約や自己破産の検討だけで裁判の期限が延びるわけではありません。
  2. 借金と家計を1枚に書く。借入先・残高・月々の返済額・滞納・保証人の有無を記載し、保護費などの収入と食費・家賃・光熱費を並べます。家族・知人への借金も省かず、不明な金額は「不明」と記載します。
  3. 受給状況と財産の資料を持参する。受給証明書や決定通知、通帳、保険、車、不動産などの資料を用意します。ネット口座は残高だけでなく、取引履歴を出せるか調べます。相談の予約は、手元の資料が完全にそろうまで待たずに行えます。
  4. 依頼範囲と費用の説明を受ける。同時廃止・管財の見通し、立替対象額、自己負担、支払猶予、申立てまでの予定を担当者から聞き、説明の控えを保管します。
  5. 援助申込みと申立て用の資料を出す。担当者の指定した期限に沿って提出し、住所・収入・財産・受給状況が変わったら連絡します。裁判所から追加資料を求められた場合も、担当者と対応を進めます。

法テラスの立替申込みでは、住民票や資力に関する資料、債務一覧表などを使います。住民票は、申込日からさかのぼって3か月以内に発行され、本籍・筆頭者・続柄・世帯全員の記載があるものです。受給証明書または開始・変更決定書も、申込日からさかのぼって3か月以内の発行が条件です。現状を反映した受給者証を提出する方法もあります。相談時の持参資料と、審査・裁判所へ提出する資料は同じではないため、法テラスの提出資料案内を基に担当者から一覧を受け取ってください。

相談だけで、その場で契約や申立てを決める義務はありません。聞きたい内容をメモしておきたい方は、弁護士に相談だけをする場合の準備も参考になります。

よくある質問

自己破産をすると生活保護が打ち切られますか?

自己破産と生活保護は別の制度です。生活保護の継続や金額は、世帯の収入・資産などに基づいて福祉事務所が判断します。自己破産後も、収入や生計の状況、住所、世帯構成が変わったときは速やかに届け出ます。申立てや免責だけを理由に、受給に関する連絡をやめないでください。根拠:生活保護法4条・8条・61条。

ケースワーカーに話せば、免責や費用の免除も決まりますか?

決まりません。生活保護を担当するのは福祉事務所、免責を判断するのは裁判所、立替金の免除を判断するのは法テラスです。ケースワーカーには生活の困りごとや証明書について相談し、法的な対応と費用は専門家・法テラスへ相談します。

貯金がなく、費用の見積りを受ける前でも相談できますか?

できます。法テラスへ無料法律相談を予約する際に「生活保護を受給しており、申立費用を用意できない」と伝えます。受給証明などの提出方法を聞き、予納金を含めて立替えを使えるか相談しましょう。ほかの相談窓口も含む費用の考え方は、債務整理の費用が払えないときの相談方法で説明しています。

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民間の法律事務所を探す際の相談先の一つです。法テラスの公的な申込窓口とは異なり、法テラスを利用して依頼できるかは広告先に尋ねてください。

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相談料、依頼後の費用、支払方法、対応範囲の説明を契約前に受けてください。広告先への相談や依頼によって、免責、費用免除、その他特定の結果を保証するものではありません。

受給中で費用がないことを、予約時に伝える

生活保護の受給中でも、自己破産は相談できます。今日できることは、裁判所や債権者から届いた書類を保管し、法テラスへ「受給中・費用を用意できない・裁判書類の有無」を伝えて予約することです。生活費が足りない場合はケースワーカーにも連絡します。

依頼時は費用の立替えと猶予を相談し、すべての援助事件が終結した後に、あらためて免除の申請を進めます。費用がないことを理由に相談を諦めず、この順番で利用できる制度を相談してください。

一次情報の参照日:2026年10月5日。裁判所費用は本文に記した裁判所・時点・納付条件の例です。申立先の運用、個別の財産・借入経緯、法テラスの審査結果により、手続・費用・免責の見通しは異なります。

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