ギャンブルで借金が増え、返済のためにまた借りる状況なら、借金だけ、依存症だけと切り離して考えないことが大切です。新たな借入れを増やさない対策、借入状況の整理、法律相談、依存症に関する相談、家計管理を並行して始めましょう。
債務整理をするかどうかは、収入、生活費、借入先、返済状況などを確認して個別に検討します。すぐに手続を決められなくても、相談を通じて選択肢や優先順位を整理することは可能です。
ギャンブル等による借金については、多重債務相談窓口と依存症に関する相談窓口の両方が案内されています。返済とギャンブルをやめにくい悩みのどちらも抱えている場合は、二つの相談先につながることを検討してください。
結論:借金を増やさない対策と2種類の相談を同時に始める
ギャンブルによる借金では、返済方法を考えるだけでなく、今後の借入れやギャンブルに使う資金を増やしにくくする対策も必要です。金融庁は、ギャンブル等による経済的な悩みについて、多重債務相談窓口への相談や貸付自粛制度を案内しています。
まずは、現在の状況を把握し、相談先を分けて考えましょう。次の項目を同時に進めると、何から手を付けるかを整理しやすくなります。
- 借入先・残高・返済日を確認する
- 新たな借入れやカード利用を増やさない方法を検討する
- 生活費と返済額を分けて家計を把握する
- 借金については弁護士等または多重債務相談窓口に相談する
- ギャンブルをやめにくい悩みについては依存症相談につながる
借金に関する相談は返済や法的な対応を整理するためのものです。依存症に関する相談は、ギャンブルを続けてしまう困りごとに応じた支援先を探すためのものであり、どちらか一方を終えてから相談する必要はありません。
まず行うこと:借入状況と生活費を見える化する

借入先・残高・返済日を書き出す
最初に確認したいのは、借金の総額だけではありません。借入先、残高、毎月の返済額、返済日、延滞の有無を、紙やスマートフォンのメモにまとめます。
すべてを正確に把握できていなくても、分かる範囲から整理してください。相談時に状況を伝えやすくなります。
借入先が増えた筆者が感じたこと
筆者は以前、借入先が約5社となり、消費者金融だけで300万円を超え、銀行や事業用を含めると総額約600万円まで借金が増えた経験があります。返済の遅れはありませんでしたが、返済日と残高の管理に追われ、全体を冷静に判断する余裕を失っていました。
これはギャンブルによる借金や依存症治療の体験ではありません。ただし、借金の原因にかかわらず、借入先と毎月の返済額が増えるほど、自分だけで状況を整理するのが難しくなる点は共通します。延滞の有無だけで判断せず、借入一覧を作り、法律相談と必要な支援を早めに利用することが重要です。
生活に必要なお金を先に確認する
手取り収入から、家賃、食費、公共料金、通信費など、生活に必要な支出を確認します。返済に回せる金額を考える前に、生活費がどの程度必要かを把握しましょう。
返済後に生活費が不足する状態なら、追加借入れをせずに済む対応を早めに相談することが重要です。次の表を使い、相談時に必要となる基本情報を整理してみてください。
| 確認する項目 | メモする内容 |
|---|---|
| 借入先 | 消費者金融、銀行カードローン、クレジットカード、その他の契約先 |
| 返済状況 | 残高、毎月の返済額、返済日、延滞の有無 |
| 収入と生活費 | 手取り収入、家賃、食費、通信費などの固定費・必要支出 |
| ギャンブルに使う経路 | 現金、口座、カード、アプリなど、利用につながる手段 |
表の内容は、完璧に埋めることよりも、現状を把握するために使うことが目的です。借入れを増やす前に確認したい対応は、借金がやばいと感じたらどうする?今すぐできる対処法とNG行動を解説でも確認できます。
新たな借入れを止めたいときは貸付自粛制度を確認する
貸付自粛制度の仕組み
自分では借入れの申込みを止めにくく、浪費やギャンブルのための借入れが続いている場合は、貸付自粛制度を確認する方法があります。本人または一定の場合の法定代理人等による申告を受け、実施団体が貸付自粛情報を信用情報機関に登録し、銀行・貸金業者などが支払能力に関する調査に利用する制度です。
金融庁によると、日本貸金業協会または全国銀行個人信用情報センターのいずれかに申告することで、3つの信用情報機関に情報が登録されます。申告方法、登録期間、撤回の扱い、必要書類は、実施団体の案内を確認してください。
制度だけで既存の借金は解決しない
貸付自粛制度は、すでにある借金を減らしたり、返済を免除したりする制度ではありません。既存の返済への対応は、家計の確認や法律相談と併せて進める必要があります。
また、貸付自粛情報は与信判断に用いられる情報であり、個別の融資判断を一律に決めるものではありません。利用を考える際は、制度の内容と注意点を公式案内で確認しましょう。
借金の相談先:債務整理をするかは相談で整理する
法律相談では返済を続ける方法も含めて確認する
ギャンブルが原因の借金であっても、借金の状況を相談することはできます。債務整理を含む対応が適しているかは、借入れの内容、収入、生活費、財産、返済の遅れや今後の見通しなどによって異なります。
記事だけで、特定の手続を選ぶべきとは決められません。借入先、残高、収入、生活費を伝えたうえで、返済を続ける場合も含めた選択肢や、検討時の注意点を弁護士等に確認しましょう。
金融庁は、多重債務の相談先として法テラス、弁護士会、司法書士会などを案内しています。借金の状況を整理し、債務整理を含む法律相談を検討したい場合は、相談先の一つとして確認できます。
【PR】借金問題について、専門家への相談を検討している方へ
「無料相談で現状を整理する」広告先への相談・依頼によって、債務整理の成立、返済額の減額、または特定の結果が得られることを示すものではありません。契約前に、説明を受けた内容、費用、支払い方法、対応範囲を確認してください。
広告先への申込み前には、費用、対応できる内容、契約条件、相談後に必要となる対応を本人が確認してください。広告掲載は、個別の解決・減額・受任を示すものではありません。
相談前に整理しておきたい情報は、借金は弁護士に相談だけでもよい?相談で分かることと準備するものでも解説しています。
依存症相談を借金相談と並行する理由

依存症相談はギャンブルをやめにくい悩みの相談先
消費者庁は、ギャンブル等依存症について、ギャンブル等にのめり込んでコントロールができなくなり、日常生活や社会生活に支障が生じることがある精神疾患の一つと案内しています。
ギャンブルをやめたいのに続けてしまう、借金をしてしまう、家族との関係や生活に影響が出ているといった困りごとがある場合は、依存症に関する相談先につながることを検討しましょう。
相談先は借金と依存症で役割が異なる
多重債務相談窓口や弁護士等への相談では、借金と返済への対応を整理します。一方、依存症に関する相談では、本人や家族の困りごとに応じた相談窓口、医療機関、家族会・自助グループなどの情報を確認できます。
厚生労働省の依存症に関する特設サイトは、気になることがあれば相談窓口へ連絡することや、家族会・自助グループにつながることを案内しています。相談先の役割を分けて捉え、必要に応じて並行して利用しましょう。
主な相談先は、次のように整理できます。
- 借金・返済の相談:多重債務相談窓口、法テラス、弁護士会、司法書士会など
- ギャンブルをやめにくい悩みの相談:依存症に関する地域の相談窓口、医療・支援機関など
- 家族自身の相談:依存症に関する相談窓口や、借金問題の相談窓口など
借金と依存症のどちらを先に相談するか迷う場合でも、片方を後回しにする必要はありません。伝えられる範囲で状況を共有し、それぞれの窓口で対応を確認してください。
家計管理では生活費と返済に使うお金を分けて考える
生活費を先に確保する
毎月の収入から生活に必要な支出を先に確認し、返済額と混同しないようにします。家賃、食費、公共料金などが不足すると、再び借入れに頼る状況につながるおそれがあります。
返済額だけを優先して生活費が足りなくなる場合は、家計の状況を相談先に伝えてください。借入れを増やさずに済む対応を検討するための前提になります。
お金を使う経路も相談時に共有する
現金、口座、クレジットカード、アプリなど、ギャンブルに使うお金につながる経路も確認します。自分だけで管理方法を決めきれない場合は、借金相談や依存症相談の場で、生活を維持しながら取り得る対応を確認してください。
生活再建を考える際の行動については、借金地獄から抜け出す方法とは?人生を立て直すために今すぐ取るべき行動を解説も参考になります。
ギャンブルの借金に関するよくある質問
ギャンブルで作った借金でも法律相談はできますか?
できます。借金の原因だけで相談をためらわず、借入先、残高、収入、生活費、返済の遅れなどを分かる範囲で整理して伝えてください。
多重債務については、法テラス、弁護士会、司法書士会などの相談先が案内されています。個別の事情によって確認すべき点は異なるため、相談先で対応を確認しましょう。
貸付自粛制度を使えば借金は返さなくてよくなりますか?
いいえ。貸付自粛制度は、既存の借金を整理・免除する制度ではありません。
新たな借入れを増やさないための対応の一つとして検討し、返済については家計確認や法律相談を別途進めます。利用前には、申告方法や注意点を公式案内で確認してください。
家族はどこに相談すればよいですか?
家族も、依存症に関する地域の相談窓口や支援機関、借金問題の相談窓口に相談できます。本人の借金を肩代わりするかを急いで決めるのではなく、まず家族として取れる対応を相談先で確認しましょう。
参考にした公的機関・公式情報
- 金融庁|ギャンブル等依存症問題啓発週間について
- 金融庁|貸付自粛制度について
- 日本貸金業協会|貸付自粛制度
- 金融庁|多重債務についての相談窓口
- 消費者庁|ギャンブル等依存症でお困りの皆様へ
- 厚生労働省|依存症の理解を深めよう。回復を応援し受け入れる社会へ
- 法テラス|債務、貸付
基準日:2026年8月18日。本記事は一般的な情報です。債務整理の可否、貸付自粛制度の利用、依存症に関する支援は個別事情によって異なります。返済で生活費が不足する場合、借入れが増えている場合、ギャンブルをやめにくい場合は、弁護士等の専門家、多重債務相談窓口、依存症に関する相談窓口へ早めに相談してください。

