ギャンブルで借金が増えたら、返済についての相談と、ギャンブルをやめにくい悩みの相談を並行して始めてください。借金を返し終えるまで治療や支援を待つことも、ギャンブルをやめられるまで借金相談を待つこともありません。
まず、次の支払日と不足額をメモし、借金の相談窓口へ連絡します。同時に、地域の保健所や精神保健福祉センターへ、借りてまでギャンブルを続けてしまうことを伝えましょう。ギャンブルが原因でも法律相談はできます。自己破産で支払いを免れるかどうかは、借金の原因だけで一律には決まりません。
今日することは、借り足さずに支払期限と相談先をつなぐこと
「次に勝てば返せる」と考えて新しい借入れや入金をすると、返済額と生活費の不足がさらに膨らみます。取り戻すための資金を探す前に、次の順番で今日の対応を決めてください。
- 次の支払日と不足額を書く。返済だけでなく、家賃・食費・光熱費に使うお金が残るかを見ます。裁判所から届いた書類があれば、封筒ごと手元に置きます。
- 借金の窓口へ連絡する。借入先が全部分からなくても、「ギャンブルで借金が増え、次の支払いが難しい」と伝え、相談日を決めます。
- 依存症の窓口にも連絡する。「やめたいのに入金してしまう」「借りられる枠があると使ってしまう」など、起きていることを話します。
次の表は、最初の電話で何を伝えるかを分けたものです。両方の悩みがあれば、両方の窓口を利用できます。
| 困っていること | 連絡先 | 最初に伝える内容 |
|---|---|---|
| 返済できない、督促が届いた | 財務局等の多重債務相談窓口、弁護士等 | 次の返済日、不足額、督促や裁判所書類の有無 |
| ギャンブルや入金を止められない | 保健所、精神保健福祉センター | 続けてしまう場面、生活への影響、借金の有無 |
| 家族の借金への対応に困っている | 依存症の相談窓口と、家族自身の法律相談 | 肩代わりや保証を求められていること、家計への影響 |
借金の地域窓口は金融庁の相談先一覧、依存症の地域窓口は厚生労働省の相談機関案内から探せます。返済が迫っている場合の対応は、借金が返せないときの対処法でも説明しています。
相談には借入明細と生活費のメモを持っていく

借金の総額だけでは、次の支払いに間に合うか、毎月返済を続けられるかは分かりません。契約先の明細や口座履歴を開き、次の項目を分かる範囲で書き出します。不明な欄は「不明」とし、資料を集め切るまで相談を延ばさないでください。
| 持参するもの | 書き添える内容 | 相談で分かること |
|---|---|---|
| 借入先の明細・請求書 | 会社名、残高、毎月の返済額、支払日、遅れた月。家族・知人からの借入れも含める | どこへいくら支払っているか、対応が急がれる請求はどれか |
| 給与明細・通帳・生活費のメモ | 手取り収入、家賃、食費、光熱費、医療費、近く予定している支出 | 生活を続けながら返済に回せる額があるか |
| ギャンブルの入出金履歴 | 使った時期と金額、現金・カード・口座等の資金経路 | 借金が増えた経緯、入金や借入れを減らすために話し合う点 |
| 督促状・裁判所の書類 | 受け取った日、書類に書かれた期限 | 相談日より前に対応する事項があるか |
手取りから生活費を引いた額より毎月の返済額が多いなら、その差額を窓口へ伝えます。足りない分を借りて埋める前に、返済条件や法的手続を相談する場面です。支出の書き方は返済に回せる金額の決め方、借入先ごとの記録には借金返済管理表の作り方を使えます。
依存症相談では、やめられない場面とお金の流れを話す

ギャンブルをやめたいのに続けてしまい、暮らしに支障が出ている場合は、依存症が関係していることがあります。依存症は治療や支援につながることで回復を目指せる病気です。この記事で自分を診断しようとせず、起きている困りごとを窓口へ伝えてください。
保健所や精神保健福祉センターでは、本人や家族の相談を受け、地域の医療機関や支援先を案内しています。電話では、例えば「ギャンブルで借金が増えています。やめたいと思っても、給料日に入金してしまいます。相談できる場所を教えてください」と話せます。これは連絡の言い方の例であり、特定の人の体験談ではありません。
相談の場では、入金する時間帯、使う口座やアプリ、手元のお金を使い切るまでの流れを伝えます。そのうえで、入金経路から距離を置く方法や、生活費の管理方法を支援者と決めていきます。借金相談を予約していれば、その日程も共有すると、返済への対応と支援をつなげやすくなります。
家族だけの相談から始めることもできます。本人が相談に同意しない場合も、家族の疲れや接し方を相談できます。厚生労働省の依存症解説では、家族会や自助グループも案内しています。
貸付自粛は新たな借入れを抑える制度。返済や治療は別に進める
貸付自粛制度は、借入れを止めたい本人の申告により、その意思を信用情報機関へ登録する仕組みです。日本貸金業協会または全国銀行個人信用情報センターの一方へ申告すると、JICC・CIC・全国銀行個人信用情報センターの3機関で情報が共有され、加盟する金融機関等が審査に利用します。
登録期間と撤回時期は、申告先の案内に沿って読む
「5年以内の登録期間」と「最初の3か月は撤回できない期間」は別のものです。両窓口の公表案内は、起算日を次のように記載しています。
| 申告先 | 登録期間 | 撤回の制限 | 申告方法 |
|---|---|---|---|
| 日本貸金業協会 | 信用情報機関への登録から5年以内 | 登録から3か月間は撤回できない | Web・郵送・来協 |
| 全国銀行個人信用情報センター | 申告日から5年を超えない期間 | 原則として申告日から3か月が経過するまで撤回できない | 郵送 |
全国銀行個人信用情報センターの承諾事項では、申告が受理された日を申告日としています。フォームを送った日や郵便を出した日だけで撤回可能日を決めず、申告先からの案内に従ってください。法定代理人等の申告には別の撤回制限があります。
登録しても、すべての貸付けが止まるとは限らない
貸付自粛情報は金融機関等の判断を拘束するものではなく、照会状況によっては貸付けを完全に止められません。登録前から契約していた、限度額の範囲で借りられるカードローン等では、貸付けが行われる場合もあります。
また、既存の借金は減らず、返済中の契約の支払いは続きます。クレジットカードの買い物利用についても各社の判断となり、使えなくなる可能性があります。貸付自粛だけで生活費や返済の問題を解決しようとせず、借金相談と依存症への支援を続けてください。
申告は原則本人から行います。家族という理由だけで代わりに申告できるわけではなく、法定代理人や所在不明者の親族等には個別の条件があります。登録・撤回の手数料はかかりませんが、郵送では返信用の切手代を負担します。
利用する窓口を一つ選び、日本貸金業協会または全国銀行個人信用情報センターで、受付状況と必要書類を読んでから進みます。受付の休止予定が変更されることもあるため、以前見た日程のまま申し込まないでください。
ギャンブルによる借金も相談できる。自己破産の免責は個別判断
借金の相談では、ギャンブルに使ったことを隠さず、いつ・いくら借り、どのように使ったかを伝えます。借金を減らしたり返済条件を変えたりする手続を、債務整理といいます。使える手続は、収入・財産・生活費・借金の内容をもとに弁護士等と検討します。
任意整理は返済条件を債権者と話し合う方法で、合意後の支払いを続けられるかが問題になります。個人再生にも、継続した収入の見込みや借金額などの条件があります。「ギャンブルだからこの手続しかない」と自己判断で決めず、返済を続ける案と他の手続を比べてください。法テラスの手続解説
免責不許可事由があっても、裁判所が免責を認める場合がある
免責とは、裁判所の決定により、対象となる借金について支払いの責任を免れることです。破産法252条1項4号は、浪費や賭博等によって財産を著しく減らしたり、過大な借金を負ったりしたことを、免責を認めない理由の一つに挙げています。これを免責不許可事由といいます。
一方、同条2項では、その理由があっても、破産に至った経緯などの事情を考慮し、裁判所が免責を許可できると定めています。ギャンブル由来だから必ず不許可になるわけでも、相談や治療を始めれば必ず許可されるわけでもありません。破産法252条
借入明細、入出金履歴、ギャンブルに使った経緯を残し、弁護士や裁判所へ事実を説明してください。都合の悪い履歴を消したり、借入先を隠したりしないでください。裁判所も、免責不許可事由がある場合には事情による判断となることと、事実を明らかにすることを案内しています。千葉地方裁判所の説明書・Q20〜21(PDF)
免責が認められても、税金など支払いが残る債務があり、保証人の支払義務も自動的にはなくなりません。借金ごとに何が残るか、保証人にどう影響するかも相談時に尋ねてください。
相談料や依頼費用が不安なら、予約時に支払える額を伝える
日本クレジットカウンセリング協会の多重債務ほっとラインでは、借金や家計について相談できます。法テラスや弁護士会等へ連絡する場合は、相談料、依頼した場合の費用、分割の可否を予約時に尋ねます。費用を借りて用意する前に、債務整理の費用が払えないときの相談方法も参照してください。
【PR】借金問題について専門家への相談を検討している方へ
「後悔しない任意整理するなら!」広告先へ依頼する場合は、費用総額、支払時期、対応範囲を説明書や契約書で読みます。相談や依頼による減額・手続の成立は保証されません。相談に持参する資料は、弁護士に借金の相談だけをするときの準備でも説明しています。
家族は肩代わりを決める前に、自分の家計と対応を相談する
家族が繰り返し返済を肩代わりしても、ギャンブルを続ける背景が残ることがあります。「今回だけ払えば終わる」と約束する前に、家族自身も支援機関へ連絡してください。本人が同行しなくても相談を始められます。
家族名義で借りる、保証人になる、預金を全額渡すといった判断は急がず、家族の生活費への影響や法的な責任を法律相談で聞きます。金銭管理を手伝う場合も、本人と支援者を交え、食費や通院費をどう渡し、支出をどう記録するかを具体的に話し合います。
責める言葉や監視だけではなく、「今月の家賃が不足している」「家族も疲れている」と起きている問題を伝え、支援につなげましょう。生活を立て直す行動は、借金が増え続ける状態から抜け出すための対応も参考にできます。
相談を始めるときのよくある疑問
借入先や残高が分からなくても相談できますか?
まずは届いている請求書、口座の引落し履歴、分かっている会社名を持って相談してください。不明な借入先を探す方法として信用情報の本人開示もありますが、登録情報の範囲や手続は機関ごとに異なります。資料が全部そろうのを待つより、不明な項目も含めて窓口へ伝えましょう。
相談予約より先に返済日が来るときはどうしますか?
予約先へ返済日と不足額を伝え、先に電話で相談できることがないか尋ねます。借入先への連絡がまだなら、公式窓口に支払いが難しい事情を伝えてください。連絡しただけで期日や返済額が変わるわけではないため、回答と次の連絡日をメモします。裁判所の書類が届いた場合は、その期限も予約先へ伝えます。
相談を始めた後に、またギャンブルに使ってしまいました
使った日、金額、資金の出どころを記録し、支援者へ伝えてください。借金が増えたなら法律相談の担当者にも共有します。損を取り戻すために借り足すのではなく、どの場面で入金したのか、今の管理方法のどこを変えるかを一緒に考えます。
借金の期限と、ギャンブルをやめにくい悩みを同時に相談する
最初の一歩は、借金をすべて調べ終えることではなく、次の支払日と不足額を持って窓口へ連絡することです。ギャンブルを止められない悩みも、保健所や精神保健福祉センターへ並行して伝えてください。
貸付自粛は借入れを抑える選択肢の一つです。すでにある返済への対応や回復のための支援と組み合わせ、相談で決まった次の行動と日付をメモして進めましょう。
参照した公的機関・公式情報
参照日:2026年9月29日。制度の適用や免責の可否、治療・支援の内容は、個別の事情を相談先へ伝えて判断を受けてください。

