債権回収会社から通知や手紙が届いても、記載された電話番号や振込先だけを根拠に、すぐ連絡・送金しないでください。まず書類を保管し、送付元と請求内容を別々に照合することが大切です。
送付元は、法務大臣の許可を受けた債権管理回収業者(サービサー)として公表されているかを確認します。そのうえで、元の債権者が回収委託や債権譲渡を把握しているか、対象契約、残高、請求内訳、振込先に不一致がないかを確認しましょう。
なお、許可会社の名称と一致していても、その通知の請求内容や金額まで正しいとは限りません。裁判所からの書類らしいものが届いたときは、通常の督促状とは分けて、早めに内容を確認してください。
債権回収会社から通知が届いたら、支払う前に送付元と請求内容を確認する
通知を受け取った時点で必要なのは、急いで結論を出すことではなく、確認できる情報を残して照合することです。身に覚えがある借入れでも、通知に記載されたURL、電話番号、口座だけで正規業者と判断しないようにしましょう。
通知・封筒・同封書類を保管する
通知書、封筒、同封書類は捨てずに保管してください。受取日、差出人名、請求額、支払期限、契約番号、振込先をメモしておくと、元の債権者や相談先へ事情を伝えやすくなります。
確認が済むまで送金や追加の個人情報提供を急がない
不明点が残る段階では、通知にある連絡先への折り返しや送金より先に、送付元と請求の根拠を確認します。確認先には、元の借入先・カード会社などの公式サイト、手元の契約書や利用明細にある窓口など、通知とは別に確認できる連絡先を使ってください。
確認は、次の順で進めると整理しやすくなります。
- 通知、封筒、同封書類を保管する
- 通知にある会社名を法務省の公表情報で照合する
- 元の債権者へ、別に確認した公式窓口から問い合わせる
- 対象契約、請求額、請求内訳、振込先を照合する
- 確認した日時、窓口、説明内容を記録する
照合結果がそろうまでは、通知に記載された情報だけをもとに対応を決めないことが重要です。
債権回収会社(サービサー)とは
債権回収会社は、債権管理回収業に関する特別措置法に基づき、法務大臣の許可を受けて特定金銭債権の管理・回収を業として行う会社です。一般に「サービサー」と呼ばれます。
当初の借入先と異なる会社から連絡が来ることはある
借入先自身ではなくサービサーから連絡が届くのは、回収業務が委託されている場合や、債権が譲渡されている場合などです。そのため、差出人が当初の借入先と異なることだけで、架空請求と決めつけることはできません。
許可会社であることと個別の請求内容は分けて確認する
法務省の公表情報で会社名を確認できることは、送付元を確かめるための一つの材料です。一方、それだけで自分宛ての請求、金額、通知に書かれた振込先が正しいとまでは判断できません。
会社の確認と請求内容の確認は、別々に行いましょう。
正規業者かを確認する4つの照合ポイント

通知の真偽や対応の要否は、会社名だけではなく、元の債権者、対象契約、請求内容、振込先を合わせて確認します。不一致があるからといって直ちに架空請求とは断定できませんが、説明を確認できるまで送金を急がないことが基本です。
照合する主な項目は、次のとおりです。
| 照合する項目 | 確認の考え方 |
|---|---|
| 回収会社名 | 法務省の債権管理回収業者に関する公表情報で確認する |
| 元の債権者 | 借入先・カード会社などへ、別に確認した公式窓口から照会する |
| 対象契約と回収の根拠 | 契約番号、契約者名、債権譲渡または回収委託に関する説明・書面を確認する |
| 請求内容・振込先 | 残高、請求内訳、支払期限、振込先を過去の資料や確認結果と照合する |
一つの項目だけで判断せず、複数の情報が整合するかを確認してください。
会社名は法務省の公表情報で確認する
通知に書かれた会社名を、法務省が公表している債権管理回収業者に関する情報と照合します。社名やロゴが似ていること、旧社名らしい表記があることだけでは判断せず、公開情報の会社名を確認してください。
公開情報は更新される可能性があるため、確認時点の内容を見る必要があります。
元の債権者には通知と別の公式窓口から照会する
元の債権者へ確認するときは、通知に記載された番号ではなく、公式サイト、契約書、利用明細などで確認した窓口を使います。債権が回収会社へ譲渡または委託されているか、どの契約が対象かを、確認できる範囲で尋ねましょう。
対象契約・請求額・振込先を照合する
通知にある契約者名、契約番号、元金・利息・遅延損害金などの請求内訳、残高、支払期限を、手元の返済履歴や利用明細と照合します。支払いを検討する場合も、請求の根拠と支払先を確認してから対応し、振込控えややり取りの記録を保管してください。
債権回収会社からの手紙・SMSで注意したいケース
支払期限が書かれていることだけで、架空請求とは判断できません。ただし、確認する時間を与えないような表現、心当たりのない請求、SMSやメールのリンクからの入力・送金の要求には、特に慎重な確認が必要です。
SMS・メールのリンク先だけで相手を確認しない
SMSやメールで請求が届いた場合は、リンク先を開いたり、入力フォームへ個人情報を入れたりする前に、会社名と請求内容を確認してください。連絡手段が郵便、SMS、メールのいずれでも、法務省の公表情報と元の債権者への別経路で確認する考え方は同じです。
裁判所からの書類らしいものは通常の通知と分けて確認する
裁判所名が記載された書類が届いた場合は、回収会社の督促状とは別に扱ってください。書類に書かれた連絡先だけで確認せず、裁判所名を公式サイトで確認したうえで、公式の窓口へ問い合わせる方法があります。
支払督促や訴状などは、書面の種類や手続の状況により対応期限が設けられていることがあります。封筒を含めて保管し、放置せずに内容を確認してください。支払督促が届いたらどうする?異議申立ての期限と放置するリスクを解説も参考にしてください。
債権回収会社に払えないときの対応

請求が正規のもので内容にも心当たりがある一方、支払いが難しい場合は、返済のために新たな借入れを重ねる前に状況を整理してください。請求内容の確認と、今後の返済をどう考えるかは並行して進める必要があります。
家計と債務の全体像を整理する
通知が来た債務だけでなく、ほかの借入れ、毎月の返済額、収入、住居費や食費などの支出を一覧にして、全体像を整理してください。金融庁は、多重債務を抱える人向けに、全国の財務局の相談窓口や都道府県・市区町村の相談窓口情報を案内しています。
古い借入れや金額に疑問がある請求は先に相談する
長期間前の借入れや、金額・契約内容に疑問がある請求では、支払い、分割払いの約束、書面への署名などを急ぐ前に、通知書類と手元の資料を確認しましょう。時効が関係するか、どの対応が適切かは契約内容や経過により異なるため、自己判断を避けて法律の専門家へ相談する選択肢があります。
借金の時効援用とは?成立条件と失敗を避けるための確認点を解説では、時効を確認するときの注意点を詳しく説明しています。
相談先を使い分けて、請求内容と返済方法を整理する
通知の真偽、請求内容、返済の見通しは、一つの窓口ですべて判断できるとは限りません。元の債権者への事実確認、公的窓口での相談、法律の専門家への相談を、必要に応じて使い分けましょう。
請求の法的な確認は法律相談、家計の整理は多重債務相談窓口も活用する
請求の根拠、裁判所書類、時効など法的な判断が関わる点は、弁護士などの法律相談で確認します。一方、返済額と生活費の整理、どの相談先に連絡するかで迷う場合は、財務局や自治体の多重債務相談窓口も選択肢です。
法テラスは、法的トラブルに関する案内を行っており、無料法律相談や弁護士等費用の立替についての案内もあります。利用条件や受付方法は、事前に公式情報で確認してください。
依存症の心配がある場合は、返済・法律相談と並行して相談する
ギャンブル等への依存が借入れや家計に影響している心配がある場合は、債務や請求に関する相談とは役割を分け、依存症に関する相談窓口も並行して利用することを検討してください。金融庁は、多重債務相談窓口とあわせて、ギャンブル等依存症に関する相談窓口の案内を掲載しています。
返済の継続が難しく、請求内容の確認と今後の対応をまとめて相談したい場合は、法律事務所への相談先の一つとして検討できます。
【PR】借金問題について、専門家への相談を検討している方へ
「無料相談で現状を整理する」広告先への相談・依頼によって、債務整理の成立、返済額の減額、または特定の結果が得られることを示すものではありません。契約前に、説明を受けた内容、費用、支払い方法、対応範囲を確認してください。
相談・委任契約・債務整理の利用可否や結果は、借入状況、収入、資産、手続の内容などによって異なります。広告掲載は解決、減額、受任その他の結果を保証するものではありません。
弁護士へ相談する前に何を整理すればよいか不安な場合は、借金は弁護士に相談だけでもよい?相談で分かることと準備するものを確認してください。通知書、借入先の一覧、返済状況、収支が分かる資料を用意すると、事情を伝えやすくなります。
債権回収会社からの通知に関するよくある質問
債権回収会社から手紙が来たら無視してもよいですか?
無視はおすすめできません。架空請求の可能性を感じる場合でも、まず通知を保管し、会社名、元の債権者、対象契約、請求内容を確認してください。
裁判所からの書類らしい場合は、通常の通知とは分けて早めに確認しましょう。
法務省の公表情報に会社名があれば、その請求は正しいですか?
正規の債権回収会社かを確認する材料にはなりますが、個別の請求内容まで正しいと判断する材料にはなりません。元の債権者、対象契約、債権の移転または回収委託に関する説明、残高、請求内訳、振込先を別々に照合してください。
請求額を払えない場合、まず何をすればよいですか?
まず請求内容を確認し、借入先、残高、毎月の収入、生活費、ほかの返済を一覧にしましょう。返済により生活費が不足する場合や、複数社への支払いが重なっている場合は、財務局・自治体の多重債務相談窓口、法テラス、弁護士などへ早めに相談する方法があります。
滞納後に起こり得る流れを把握したい場合は、借金を滞納するとどうなる?督促から差押えまでの流れと相談の目安を解説もあわせて確認してください。
まとめ|通知の連絡先だけで判断せず、許可会社・元の債権者・請求内容を照合する
債権回収会社から通知が届いたときは、すぐに送金せず、法務省の公表情報、元の債権者、対象契約、債権の移転または回収委託に関する説明、請求額、振込先を確認してください。送付元が正規業者と確認できても、請求内容まで正しいとは限りません。
支払いが難しい場合や、裁判所からの書類らしいものが届いた場合は、放置せず早めに相談を検討しましょう。書類と確認記録を残すことが、安全に次の対応を判断するための出発点になります。
参考にした公的機関・公式情報
基準日:2026年8月20日。債権管理回収業者に関する公表情報、相談窓口、法テラスの制度内容は更新される場合があります。公開時にも各公式ページの最新情報を確認してください。請求の有効性、時効、返済方法、裁判所書類への対応は個別事情で異なります。

