借金返済管理表は、借入先ごとの残高・次回の返済日・支払額を、同じ場所に書く表です。返済日が早い順に並べ、支払った後に入金結果と新しい残高を書き足すと、「今月いくら用意するか」と「借金がどれだけ減ったか」を分けて追えます。
最初から細かな計算式を作らなくても、契約先の明細に出た金額を転記すれば始められます。この記事では、3つの契約を管理する架空例と、紙や表計算ソフトへ写して使える記入欄を用意しました。
この表は本人用の記録です。請求額や返済日を変更する効力はなく、裁判所へ提出する債権者一覧表の代わりにもなりません。すでに支払日や裁判所書類の期限が迫っている場合は、完成を待たずに相談してください。
管理表には「残っている借金」と「次の支払い」を分けて書く
残高は、まだ返していない元金などの額です。次回支払額は、次の返済日に払う額で、元金の返済分に利息・手数料が加わることがあります。両方を同じ「金額」欄に書くと、借金全体と今月の支払いを混同してしまいます。
まずは次の6項目から始めましょう。銀行カードローン、消費者金融、カードのキャッシングとショッピングリボは、種類が分かる名前で1契約ずつ分けます。
| 欄の名前 | 何を書くか | 転記元 |
|---|---|---|
| 借入先・契約の種類 | 会社名と商品名。カードはキャッシングとショッピングを分ける | 契約書、会員ページ |
| 残高・基準日 | 残っている元金などの額と、その数字がいつ時点か | 残高照会、利用明細 |
| 契約の年率 | 借入れの金利、またはリボの手数料率。分からなければ「不明」と書く | 契約内容の画面、明細 |
| 次回返済日 | 「毎月27日」ではなく、次に支払う年月日 | 次回請求の画面、返済予定表 |
| 次回支払額 | 契約先が案内している次回の請求額 | 請求明細、返済予定表 |
| 支払方法・口座 | 口座振替、振込など。口座は自分で区別できる呼び名 | 契約内容、引落しの案内 |
同じ会社に2種類の支払いがあるときは、行を分けたうえで、口座からはまとめて引き落とされるかをメモします。たとえばCカードの請求総額1万5,000円が「リボ8,000円+一括払い7,000円」なら、リボの行に入れるのは8,000円です。口座には合計1万5,000円を用意します。
この区別がないと、リボ8,000円とカード請求総額1万5,000円を足して、2万3,000円と二重に数えてしまいます。カードの請求全体と、その内訳は分けて扱ってください。
3社の記入例|返済日順に並べると資金を置く口座が分かる
以下は転記の方法を示す架空例です。会社名、利率、残高、返済条件は実在の商品を表していません。残高は2026年9月30日時点と仮定し、翌10月の予定を記入しています。
| 借入先・種類 | 残高 | 年率 | 次回返済日 | 次回支払額 | 支払方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| A社・消費者金融 | 400,000円 | 金利18.0% | 2026/10/5 | 15,000円 | 給与口座から振込 |
| B銀行・カードローン | 300,000円 | 金利14.5% | 2026/10/15 | 12,000円 | B銀行口座から引落し |
| Cカード・ショッピングリボ | 100,000円 | 手数料率15.0% | 2026/10/27 | 8,000円 | 給与口座から引落し |
| 合計 | 800,000円 | 合算しない | ― | 35,000円 | 口座ごとに準備 |
この表で分かるのは、借金の合計が80万円、ここに載せた契約の次回支払いが合計3万5,000円ということです。年率を足して47.5%と表示することはできません。残高にかかる条件が契約ごとに違うためです。
また、支払い用のお金が全部給与口座にあっても、B銀行口座が空なら12,000円の引落しには使えません。15日の分をB銀行口座に移す、と口座単位で予定を立てます。入金の締切や休日の扱いは契約先の案内に合わせ、給料日と同じ日に入金すれば間に合うと決めつけないようにしましょう。
残高の日付がA社は9月30日、B銀行は9月15日などと違う場合は、各行に基準日を添えます。全社を同じ日にそろえられなければ、合計は「各社の記載日時点の合計」として扱い、今日現在の正確な借金総額と混同しないでください。
支払った後は、予定欄を消さずに実績を書き足す
予定額だけの表では、振り込んだか、引き落とされたかが分からなくなります。支払い後は、日付と実際に払った額を別欄へ記録し、契約先への入金反映も追いましょう。
- 支払う前:今月の表を保存し、次回返済日・請求額・資金を置く口座を書きます。
- 支払った後:振込結果や口座の出金履歴を見て、支払日と金額を記録します。
- 契約先の反映後:会員ページや明細の入金履歴を照合し、返済後残高を書き足します。
- 月末:翌月分として表を複製し、次の返済日・請求額を新しい明細から入れます。
振込予約だけで「支払済み」とせず、実行された日を記録します。出金は済んでいても契約先の画面にまだ反映されていなければ、「出金済・反映待ち」と書けば、未払いとの違いを残せます。
元金の減り方は「支払額」ではなく明細の内訳で追う
A社の架空の明細に、支払額15,000円、うち利息6,000円、元金への充当9,000円、返済後残高391,000円と載っていた例で考えます。ここでは追加借入れも、別の費用もないものとします。
| 実績欄 | 転記する数字・状態 |
|---|---|
| 支払前の元金残高 | 400,000円 |
| 実際の支払額 | 15,000円 |
| うち利息 | 6,000円 |
| 元金に充てられた額 | 9,000円 |
| 返済後の元金残高 | 391,000円 |
| 入金状態 | 契約先の入金履歴に反映済み |
数字は転記の説明用に作った架空の明細値です。前の表の日付や金利から、実在契約の利息を算出したものではありません。
減った元金は9,000円です。40万円から支払額の1万5,000円を丸ごと引くと、残高を6,000円少なく記録してしまいます。明細に費用が複数ある場合は、支払額から自己流で引き算するより、契約先が表示した元金充当額と返済後残高をそのまま写してください。
毎月の金額から完済時期まで試算したいときは、借金返済シミュレーションへ進みます。日本貸金業協会の公式シミュレーションも返済額・元金分・利息分を分けて示しますが、計算結果は目安です。管理表の実績欄には、自分の契約先の明細値を使いましょう。
写して使える返済管理表|予定と実績の記入欄
紙ならノートを左右に分け、左に予定、右に実績を書きます。表計算ソフトなら下の見出しを1行目へ写して使えます。表を横に広げすぎないよう、契約別の一覧と支払実績を分け、借入先の名前をそろえる方法もあります。
対象月: 年 月/記入した日: 月 日
| 借入先・種類 | 残高と基準日 | 金利・手数料率 | 返済日 | 次回支払額 | 方法・口座 |
|---|---|---|---|---|---|
| ① | 円/ 月 日 | 年 % | 月 日 | 円 | |
| ② | 円/ 月 日 | 年 % | 月 日 | 円 | |
| ③ | 円/ 月 日 | 年 % | 月 日 | 円 | |
| 合計 | 円 | ― | ― | 円 | ― |
| 借入先 | 支払日 | 支払額 | 元金に充てた額 | 返済後残高・基準日 | 入金状態 |
|---|---|---|---|---|---|
| ① | 月 日 | 円 | 円 | 円/ 月 日 | 未払い・反映待ち・反映済み |
| ② | 月 日 | 円 | 円 | 円/ 月 日 | 未払い・反映待ち・反映済み |
| ③ | 月 日 | 円 | 円 | 円/ 月 日 | 未払い・反映待ち・反映済み |
追加利用があった月は、実績表の下に「借入先・利用日・追加した元金」を別記します。返済後の残高だけを見ると、追加利用したために減らなかったのか、返済が反映されていないのかを見分けにくいためです。
連絡した内容も「10月2日・A社窓口・次回の請求額について質問」のように日付付きで残します。口座番号やパスワードは表に書かず、自分が識別できる口座名だけにしておけば、相談時に見せる際も扱いやすくなります。
数字が合わないときは、古い残高や追加利用からたどる
管理表と会員ページの残高が違うときは、原因を想像して金額を直さず、どの時点から差が出たかをたどります。特に、返済日と明細の締め日が違うと、同じ「今月」の表示でも含まれる取引が変わります。
- 日付の違い:表の基準日より後に、返済や追加利用がなかったか。
- 支払額と元金の違い:利息・手数料を含む支払額を、全部元金から引いていないか。
- カード内の区分:一括払い、リボ、キャッシングを同じ残高として写していないか。
- 反映までの時間:振込は完了しても、会員ページの入金履歴がまだ更新されていない状態ではないか。
それでも差が分からなければ、明細の対象期間、取引日、金額を手元に置き、契約先へ「この支払いは元金・利息・その他の費用にそれぞれいくら充てられたか」と聞きます。数字が取れない欄は「不明」と残し、ゼロで埋めないでください。
返済額が家計に収まらないときは、表を相談資料にする
管理表で次回支払額が3万5,000円と分かっても、生活費を払った後に2万円しか残らなければ、1万5,000円不足します。支払日を並べるだけでは解決できないため、収入・支出も別に書いて、返済額と比べます。
家計の書き出しには、日本貸金業協会の家計バランスシートも使えます。収支の例から返済の負担を見たい人は、借金200万円の返済額と生活費を比べる例も参考にしてください。
次の支払いに間に合わないと分かったら、契約先へ不足額と入金の見込みを伝えます。毎月借り足さないと払えない場合は、日本クレジットカウンセリング協会の多重債務ほっとラインなど、家計と借金の両方を扱う相談先に表を見せてください。同協会は相談内容に応じた助言や他機関の紹介、面接相談の案内を行っています。
法律相談を受けるときは、表と元の明細を一緒に持参します。保証人や住宅ローン、裁判所から届いた書類など、表にない事情も伝えましょう。詳しい準備物は債務整理の相談で聞かれることで説明しています。
返済管理表についてよくある質問
毎月の最低返済額をそのまま書いてよいですか?
次回請求が確定しているなら、その請求額を予定欄に書きます。契約上の最低額だけを写すと、別の費用や支払いが加わった月の実際の請求とずれることがあります。多めに返す予定がある場合は、契約上の請求額と追加で払う予定額を分けて記録してください。
完済予定日が分からない場合はどうしますか?
残高を毎月の支払額で割って記入せず、「未計算」としておきます。利息・手数料、返済方式、追加利用によって期間が変わるためです。契約先の返済予定表やシミュレーションで条件をそろえてから書き足しましょう。
残高ゼロになった行は消してよいですか?
元金残高がゼロになったら、残る利息・手数料と最終請求を契約先に尋ね、精算後に「完済」と記録します。例えばJCBのショッピングリボでは、ATMで元金をまとめて払っても、手数料は後日の口座振替となる扱いがあります。JCB公式のまとめ払い案内
その月の明細と記録は残してください。完済しても契約自体が終了したとは限らないため、解約したかどうかは別の欄へ記入します。最後の入金と最終請求が反映されるまでは、自己計算だけで完済扱いにしないようにしましょう。
まず1社分を写し、支払い後に残高を更新する
返済管理表の役割は、全社の次回支払いを見渡せるようにし、支払った結果を残すことです。最初の1社について、明細の残高・基準日・返済日・請求額を写し、同じ形式で他の契約を足していけば作れます。
今月の支払い後に、入金状態と返済後残高を1回更新してみてください。合計額が生活費を払った残りに収まらなければ、その表を使って不足額を相談先へ伝えましょう。
管理表に載せた請求額を家計から払えるかは、返済へ回せる金額の計算表へ手取り・生活費・年払いの出費を入れて比べてください。
公式情報の参照日:2026年9月27日。記入例はすべて説明用に作った架空の数値です。記入欄は当サイト作成の本人用メモで、公的機関や金融機関の指定書式ではありません。

